4人が本棚に入れています
本棚に追加
「ちょっと見てくる。ひょっとしたら生存者かもしれないし・・・。」
「待って、私も行くわ。」
「わかった。念のためバッグの準備をしておいて。」
足音を殺しながら、できる限り急いでドアへ向かった。
すぐ後ろにはミヅキがいて、繋いだ手は恐怖から震えていた。
励ますようにギュッと握ろうとしたけど、僕の手にも力が入らない。
お互いに怖いのは一緒だった。
ドアの付近にまでたどり着いた僕は、覗き穴から外をうかがった。
そこには白目をむいて口を半開きにした、血塗れの女がいた。
女から少し離れた場所には腕のねじ曲がった老人や、足を引きずっている男も見えた。
「か、感染者だ!3体もいる!」
「そんな、まだ外は明るいのにどうして?!」
「わからない、わからないけど居場所がばれてしまった。早く逃げないと・・・」
ガタァァン!
パラ・・・パラ・・・。
なんて力だ。
補強をしたドアをこうも簡単に破壊するだなんて。
僕とミヅキは相手を刺激しないように、通路に張り付きながら息を潜めた。
ドアを破壊した女がゆっくりと中へ入ってくる。
近くにいた老人と男も遅れて入ってきた。
ずるり
ずるり、と。
彼らはそのまま部屋の奥へと侵入し、ダイニングテーブルに3体とも座った。
どこから用意したのか、3本のグラスをテーブルに載せて。
最初のコメントを投稿しよう!