誰も居ない街で

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道は廃車やゴミが散乱して運転しづらかったが、なんとか走ることはできそうだった。 ミヅキが街中をうろついている感染者を見つけては、声をあげている。 「見て、何人も感染者が・・・。今まで明るい場所は安全だったのに。」 「夜に比べたら数が圧倒的に少ない、だから変異種みたいなものか?」 「変異・・・。それが主流派になったら、昼も危険になるのね。」 「あまり考えるのはよそう。今は新天地を探すことだけ考えよう。」 「そうね・・・、まだ見ぬ生存者を探しましょう。」 僕らは力なく頷いた。 表情は文字通り沈みきっている。 日中を動き回れることは、僕たち生存者の唯一のアドバンテージだったのに、今やそれすらも危うい。 それでも泣き言は言っていられない。 もはや誰も助けてはくれないのだ。 僕たちは行くあてもなく車を走らせた。 まだ見ぬ安全な場所を求めて。
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