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それから俺と遊佐くんは話す機会が増えた。
『グリル ゆさ』を継ぐつもりの遊佐くんは料理と真剣に向き合っていたし、俺はおいしいものが好きだった、ってまぁ、E棟のみんなも同じだけどね、それは。
だから、遊佐くんが料理当番の時に色々とリクエストした。
洋食はもちろんだけど、和食というか家庭料理なんかも彼は上手だった。
そのうち、純也や満武とも打ち解けてきて。
もちろん俺が潤滑油になってあげたんだけど。
いつの間にか料理当番の頻度が遊佐くんだけ多くなって。
E棟のみんなは充実した食生活を送るようになっていた。
そんな毎日の中、遊佐くんのことでひとつ気付いたことがあった。
それは、料理中に鼻歌が出ること。
見た目の印象とは違うと言ったら失礼だけど、きれいな声だった。
それを聞いた時、「グリル ゆさ」での彼のお父さんの鼻歌を思い出した。
さすが親子というべきか、そこも「似てくるものなのだなぁ」と納得した。
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