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「絵美ちゃん!!、良く聞いときなさいよ、今後の仕事に役立つから」
私は絵美ちゃんに注意を促して、時子さんの話しを更に聞きだすのだった
「で、時子さん、その後はどんな処置をしたんですか?」
「京子ちゃんが想像する通りね、大体、3時間がヤマ、ICU(集中治療室)に入っても、持たない人は持たないわ」
「持たないって……、運任せですか!?」
私は時子さんの言葉にそう返したのだが、彼女は首を横に振って否定したのだった。
「運っていうよりも、肉体の力とか精神的な面かしらねぇ……、言い方は悪いけど"生きる事への執念"って言った方が良いかしらね」
「じゃあ、ウチの兄は執念が足りなかったってことですかね……」
私が寂し気に答えると、時子さんは、慌てて補足をしてくれるのだった。
「京子ちゃんのお兄さんは、肉体的な損傷が酷くてね多臓器不全で亡くなったのよ……」
看護師になった現在なら、時子さんの言うことは、良く分かる。それが兄の運命だったのだろ。
やがて、絵美ちゃんが仮眠に入ると、ナースステーションには、時子さんと私だけになった。時子さんは真面目な顔つきで私に問い掛けてきた。
「新患の前島さん、アノ時の事故の当事者よ」
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