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「えっ!?、じゃあ唯一生き残った人って……」
兄の死ぬ前に口を聞いていた人が目の前にいる事実に私は身を震わせる。何故、兄が死ななければならなかったのかが分かるチャンスだからだ……。
「京子ちゃん……、もしかしたら真実は知らない方が幸せな時があるわよ……」
時子さんの、この言葉が心に小さなトゲの様に突き刺さる。私のある疑念にソレが引っ掛かっていたからだ。
「確かに事実が真実でない事の方が多いのが世の中ですよね……」
私は時子さんに、そう返しながらもその疑念を口にする事は出来なかった。
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