第1章

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「姉貴、もうすぐ純一兄貴の13回忌だろ……」 そう、私がレイプをされた日、兄は同級生の先輩の車でトレーラーと正面衝突して死んでいた。原因は友人の車が反対車線にはみ出しのが原因だったらしい。兄を含めて4人が死亡、1人は頸椎骨折の重傷だった。 兄が死んだ時、私はボロボロになって家にたどり着いていた。シャワーでレイプ犯の体液を洗い流し、長い間浴室で泣きじゃくっていた。幸い妊娠こそしなかったものの、その日から学校を1ヶ月程休み、家にとじ込もった。 「姉貴!、飯の最中に寝るなよ!!」 弟の声に我に返った、私は再び箸を動かし始める。時たま夢でフラッシュバックしていまだに私を苦しめるこの出来事の記憶が一生頭から離れず続くのかと思うと、正直、気がめいる。 「寝てないわよ、ちょっと考え事をしてただけよ!」 明日は夜勤だから、今夜は早めに休もうと心に決めていたが、昔の事が色々頭の中に浮かんできて眠れそうにない。
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