蝉の声

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「じゃあ、決まりだね!」  パチンと指を鳴らす桑野。明るい髪色のせいか軽さが倍増して見える。 「勿論、竜一君もくるよね?」 「あ、あぁ行く」  桑野のおかげ? もあって二次会にも行けることになった。  一次会からあまり人が欠けることなく、近くのカラオケ店へとぞろぞろ歩きだす。  カラオケ店に着くと、八彦が店員さんと話しだす。運良くパーティー部屋が空いているということで、そこに案内された。  部屋に着くなり、曲を予約する機器の奪い合いが始まる。  その中には八彦の姿も……  適当に座ると横には夏鳴、その横には三鎌が座った。  よし! ここでなら話せるぞ!  そう確信した時であった。 「よっ! 隣いいかな?」  桑野が現れ、三鎌の横に座った。  三鎌は少し警戒した様子で、プイッと顔を反らし「どうぞ」と言って、少しだけ夏鳴の方に寄った。
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