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「貞虎……お前バカなの?」
翌日、オレの部屋――。
ミナさんを紹介してくれた幼馴染に昨日の報告をしていたのだが……。
普段は温厚な親友、風間申一郎(かざましんいちろう)の珍しく怒った姿がそこにはあった。
理由は当然、昨日の紹介デート。
ミナさんを紹介した申一郎からすれば、恩を仇で返された気持ちなんだろう。
オレのベッドに深々と座り、腕組みをしてオレを見下ろす申一郎。
オレはと言えば、その前で肩を狭めて反省の正座中だ。
フローリングの床が痛い……。
「……すんませんっした!」
そう言って正座したまま深々と頭を下げる。いわゆる土下座という状態だ。
格好悪いが、ミナさんが怒って帰ってしまうような事をしでかしたオレが悪い。
甘んじて受け入れて、申一郎の気が済むまで謝るしかない。
「余計な事言ったら嫌われるって、お前はまだ分からないの?」
「分かってはいるんだけど、カレシがいるんじゃないかって気づいちゃったらつい……」
あれはオレの悪い癖……。
何かが気になるとすぐ推理してしまい、それを話し出すと止まらなくなってしまう……。
でも本当にワザとじゃないんだ!
「もう二度とこんな失敗はしない! だから……頼む申一郎! もう一度チャンスを!」
「ふざけるな! そのセリフ何度目だよ? お前さ、今まで何人の女を紹介したか覚えてるか?」
「え……えっと……?」
言いよどむオレを見て、申一郎は「はぁ」とため息をつく。
「――1人目、カンナちゃん。
デート中、ダイエットのためランチでサラダだけを注文。
その時貞虎から『オレの推理だと、キミいつもは大食いでしょ? 小食アピールなんてやめなよ』と暴言を吐かれる」
「うっ……」
「――2人目、ヨーコちゃん。
一見アニメグッズとはわからないようなキーホルダーをバッグにつけていたところ、貞虎から『もしかしてキミって腐女子?』と大声で暴露される」
「そ、それは……」
「――3人目、ユキちゃん。
重い日だけど約束だからとデートに行くも、『キミ今日生理でしょ? 無理しないでいいよ』と周囲の目も憚らずに言い散らかす」
「……」
「そして今回のミナちゃんで4人目なんだけど……」
淡々と指摘してくる申一郎。
おかげで自分の行動を客観的に見ることができた。
……うん、我ながらなかなかのダメ人間だ。
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