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だが、その日の夜にまさかの反撃を受けた。
「一緒に、寝てもいい?」
いつもは人半分ほどの隙間を作って布団を並べているのだが、朔は当然のようにこちらへとやってきた。枕もしっかり握られている。
「なに、その顔?」
驚く以外に何ができよう。確かに一緒の布団で眠る妄想もしたことがある。あるが突然目の前に降って湧かれても、舞い上がるというより戸惑うらしい。
「いっ、いえ。ちょっと、妄想が形になったのにびっくりして」
うっかり本音を漏らしてしまったが、朔は苦笑しただけで半ば強引に隣へ滑り込んできた。
「……真面目な人ほど実はむっつりって言うけど、本当なんだ」
想い人のぬくもりが、すぐ近くにある。吐息までもが聞こえる距離は、想像以上の緊張を生み出すらしい。そういえば、好きな人とこんなことをするのは初めてだ。
「……さっき、ありがとう」
身体の向きをどうするか真剣に悩んでいたところに、静かな声が薄闇に溶けた。
「普通なら信じられるかって思うのに、守田くんのは不思議と信じられたんだ」
気持ちが、伝わっていた。「信じてもらえた」だけでも心は踊り出す勢いで、単純と呆れつつも堪えられない。
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