第二話

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第二話

 初めての同居生活は、男同士でもどこかくすぐったく感じるらしい。  朝は見送ってくれる。帰ってくると、洗濯は済んでいて夕飯もできている。「気をつけて」「おかえり」という声が絶対にある。  最近は、昼は外食ばかりだというのを気にして、弁当まで用意してくれるようになった。  互いへの緊張感はだいぶ薄れてきたように思うが、朔の表情には未だ悲痛の影が纏わりついている。時折見せてくれるようになった笑顔も心からのものではない。 『っ、う……』 『朔さん、朔さん』 『やめ……も、いや、だ……』  時々、夜中にうなされている姿を知ってから、ますます秘められたままの「自殺したい理由」を知りたくなる。  けれど、無理に聞き出すだけの度胸はなかった。  少しでも口にすれば、この生活が終わってしまいそうな予感がしたのだ。  ――何となくの形で続いている朔との日々を、今はなくしたくないと思っている。
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