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娘の場合、塾の講師に言わせると今までの判定模擬試験の成績にちょっとムラがありすぎるらしい。特に理数系がネックで、その時の出題傾向によって判定結果が大きくぶれ、総合点で充分に合格圏内の結果の時もあれば、ちょっと微妙なラインの時もある。そんな状態を繰り返してきたらしい。
それを考慮してあえて合格の可能性を数字にすれば75%くらいだと講師は言う。なんとも悩ましい微妙な数字だ。莫大な過去データから冷徹にはじき出されたはずのコンピュータによるB判定を鵜呑みにしていただけに、講師の話は妻と僕にとって少しショックだった。
もしも不合格だった時の保険として塾も用心したコメントを出しているのではないかと穿ってみたりもした。いや、妻も僕もそう思いたかった。どこかで誰かに「大丈夫ですよ」と安心させてほしかったのだ。
しかし、中学入学以来ずっと娘を見てきてくれたある部分では親以上に娘のことを理解してくれている塾の講師の見解だからこそ、娘を数字だけで判断するコンピュータの合否判定より妙な説得力があった。
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