②宿泊客

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各部屋にはテレビや冷蔵庫もなく、ただ寝る為だけのスペースだけだった。 大部屋を男性陣と女性陣とで別れて2部屋借りていた。TVは1階の共有スペースの大広間にしかないので、自然とそこに宿泊客が集まっていた。ご飯は食堂で食べてもいいし、部屋に持って帰って食べてもいい。大和達は皆で食堂で食べることにした。 民宿には船に乗って来た乗客以外に、すでに韓国人男性が宿泊していた。李さんといい、男性一人でこの島に留まるのも珍しい。食堂に李が食事を取りに来た時に、誰にでもフレンドリーな赤石が話しかけた。 赤石「お一人でこの島へ?」 李「いえ、今日までは友人と二人だったが彼に急に仕事が入ってね。君たちが乗って来た船で帰ってしまったんだ」 赤石「二日に1便しか船ないですもんねー。俺達明日BBQをやる予定なんで、もしよかったら来てください」 李「へぇ面白そうだね。私の様なおじさんが混ざっても良ければ」 赤石「もちろん。あ、お姉さんも来てくださいよ」 丁度食事を取りに来た女性にも声をかけた。 女性客「え?…私はすることがあるから…。誘ってくれてありがとう」 にっこりと大人のほほ笑えを浮かべた顔は思ったより美人で男性陣がつい見とれるとと、凜が「ごほん!」と咳き込んだのでハッとした。女性はお盆をもって食堂を後にした。 衣笠「お前…人懐っこいのはいいことだけど空気読めよ」 衣笠ははぁっとため息をつく。 赤石「何がだ?」 衣笠「あの年齢の女性が一人でこんな孤島に来るなんて訳アリにきまってんだろ」 最上「確かに」 衣笠の彼女の最上は少し馬鹿にしたようにクスクスと笑った。
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