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食事を終えて部屋へ戻る時に、大和は廊下を歩いている弟を見つけて呼び止めた。
大和「おい武蔵」
武蔵「何?兄さん」
大和「ちょっといいか?」
弟の腕を掴んで空いている部屋へ入った。
大和「お前さっきの態度なんだよ…。せっかく赤石先輩が声かけてくれたのに」
武蔵「…そんなのこっちはお願いなんてしてないよ」
大和「え?」
武蔵「俺は…兄さんさえ会いに来てくれれば良かったのに…。ナニ?リア充アピール?」
大和「何言って…」
武蔵「俺なんかと違って自分は友人達に囲まれて幸せですって見せつけに来たのかよ」
大和「そんな…俺はお前の為に…」
武蔵「俺の為?病気になったことがない兄さんに俺の気持ちなんて分からないくせに」
大和「そんなこと言われたって…。俺だってお前と変わってやれるなら変わってやりてぇよ」
武蔵「じゃあ、俺と同じ病気になってよ」
大和「…お前の病気は人に感染しないだろ」
武蔵「俺からはね」
武蔵は意味ありげにほほ笑むと、ポケットから巾着袋を取り出し、その中から黒い干からびた豆の様なものを出す。
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