②宿泊客

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武蔵「これを飲めば俺と同じ病気になる…。ホントに俺の気持ちを理解したいって言うなら、俺と苦しみを共有してよ」 大和(そ…そんなことってあり得るのか?) 思わず無言でゴクリと喉をならす。 大和(そうなったら…もう大学に通えないし、ずっと島での生活になる…) 武蔵は本土の空気は合わないから、幼少からずっと祖父に引き取られてこの何もない田舎の島で暮らしている。 震えながら武蔵の差し出した手に、大和もゆっくりと手を伸ばすが…‥。 どうしてもその黒い物体を受け取ることが出来なかった。 武蔵はため息をつきながら「ほら…やっぱり口だけじゃん。本気で俺を理解するつもりないくせに」手に持っていた豆を再び巾着に入れて、ポケットにしまった。 大和「お、俺は…」 武蔵「気にしないでよ。ただの冗談だから」 背中越しに聞いたその声はかすれていた。武蔵は駆け足で部屋を後にした。
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