【序章】

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  森の中を必死に逃げ惑う一つの影。 男「ひ、ひぃ~!」 木々の影が覆う薄暗い森の中で、海の音を頼りにただひたすら前へ前へ。 土のにおいに塩の生臭い臭いが混ざり始める。 荒い息を吐きつつ後ろを振り返ると、膝丈まである草の中をガサガサと複数の“何かが”近づいてきているのが分かった。 男「だ、誰か!助けてくれ!」 その声に反応したようにガサリと真横の木の影から飛び出して来た影が男の背中にのしかかかった。 男「ぎゃぁーーー!」 背後の草むらの追跡者にばかり気を取られていた男は完璧に油断していた…―― …‥男の喉元から血しぶきが上がった。
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