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晴天の日光に照らされた水面はキラキラと輝いていた。
真っ青な海の中、一隻の船が波をかき分けて進んでいた。
船内には年齢も性別も様々な男女が乗り合わせていた。中型船は波の影響を受けるので、船体は常に大きく揺れ、座っている者までも船に捕まっていた。
千貫大和(ちぬきやまと)は隣に座る女子高生の間宮凜(まみやりん)に声をかける。
大和「凜大丈夫か?だから来るなって言ったのに…」
凜「だって…こんなに揺れるって思わなかったんだもん」
うえっと嘔吐しながら答えた彼女の背を大和はさすってやりながらもため息をつく。大和の右隣にいた同級生の鈴谷悠真(すずやゆうま)がそれを見て笑う。
悠真「いいじゃん。付いて来てくれる幼馴染がいるなんて羨ましいよ」
大和は昨日のことを思い出す。
大学のサークル仲間と弟のところに旅行に行くと凜に話したら、「女子大生と旅行なんて破廉恥だ!」と怒り出し、やましいことがないんなら自分も連れていけとだだをこねたのだ。
もともとサークル関係なく声をかけていいと先輩からも言われていたので、仕方なく連れていくことにした。
悠真「俺なんて声かけたのにだーれも付いて来てくれねぇし。だからさ…」大和の耳元に顔を近づけて。
悠真「ミチカちゃん狙っちゃおうと思ってさ。協力してくれよ?」
大和も彼の目線の先を追いかけて外をみると、風にあたっている熊野美智佳(くまのみちか)がいた。黒髪に眼鏡で一見清楚系だが、豊満なバストで男性に人気がある。
大和「お前…また高望みを…」
男性「お、島が見えたぞ」
女性「え~どこどこ~?」
船は目的地に近づき、乗客のテンションが一気に上がった。
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