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大和の双子の弟・千貫武蔵(ちぬきたける)は病気でずっと島に住む祖父に預けられていた。大和は長期休暇の度に弟に会いに行っていたが、その島には島民以外は入れない。だからその島の島民が運営する宿舎があるこのリゾート島のみでしか会えなかった。
本土に住み大学に進んだ大和とは違い、武蔵は島の中で通信制の高校を出た後は島に籠ってしまい、最近では連絡も疎遠になってしまった。過疎化した島には年が近い子もいないらしい。
唯一の同年代である大和とすら連絡を取らなくなったらあいつはどうなるのか…。それを心配して赤石に相談したところ、同年代の友達を増やしてやろうということになり、今回この島に訪れることになったわけだ。
民宿に着くと一番に男グループが下りて、大和達のグループはその後に続いた。
熊野「きゃー!」
最上「なにこれメッチャ可愛い!」
凜「うわぁ~ホントにいっぱいいる~!」
バス降りると早速兎達がお出迎えをしてくれて、女性陣はハイテンションに喜んでいた。
衣笠「はいはい。後でいくらでも触れるから先に荷物運ぼうぜ」
大和「いや、野生のうさぎだから触れないんですよ」
熊野「えーそうなの?」
凜「抱っこしてみたいなー」
大和「ダメだって。でも餌をやれば近くには来てくれるよ」
ダッダッ---。
「え?なになに?」
兎達が一斉に走り出したのでその方向を見ると、弟の武蔵がいた。
大和「武蔵!久しぶりだな」
武蔵「兄さん。久しぶり」
久々の再開に兄弟は微笑みあった。
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