コ・コ・ニ・イ・ル・ヨ

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電車に飛び乗って辿り着いたのは、いつも予備校へ行くために乗っている路線の、名前しか知らない終着駅だった。 ホームに降りると線路の向こうに海が見えた。 「さむ……」 冬の海から吹きつけてくる風は冷たく、コートとセーター姿の私を吹き飛ばしてきそうだった。 もう夕方で、電車の本数も極端に減っていて、次の次で終電だったのには驚いた。 不思議な高揚感というか、このまま終電を逃したらどうなるんだろうと思い、私は駅の外に出てみた。 「……お店がない」 駅前だというのにコンビニもないことにはさすがにショックだった。 仕方なく自動販売機で温かいお茶を買い、カイロ代わりにコートのポケットに仕舞った。 温かい缶のお茶に指先を温めながら、駅の裏手にある堤防を越えて海へ行ってみた。
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