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このときの私は絶対に合格するんだと息を巻き、友達も作らず遊ばず勉強ばかりしていた。
予備校で息抜きに遊びの計画を立てていた子達を憎んですらいた。
いま振り返ると、どこか病んでいたんじゃないかと思う。
だからかもしれないけど、優希くんがその目で見たものをそのまま書いたようなメッセージに和み、癒された。
でも私は彼への返信には、
『だからなに?』
と冷たく返事した。なんだか私の心が彼に操られているようで面白くなかったのだ。
すると優希くんは決まって、
『なんでもない』
とだけ返信してきた。そうして次の日からまた同じ内容のメッセージが送られてきた。
こんな意味不明のやりとりが次の年の受験シーズンまで続いた。
そして、入試を翌日に控えたその日、私は、
『別れたい』
とメッセージを送って、一人電車に飛び乗った。
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