#2 手掛かり

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#2 手掛かり

「本当かよ……」 話を聞いてウィルは落胆する。 唐突に聞かされた衝撃的事実……今の今までずっと一緒に暮らしていた唯一の家族が、本当の自分の親ではなかった。 あまりにも突然すぎた……出来る事なら彼の話を信じたくなかった。 だがこれを話しているのはゴードン……根は真面目な彼が、この様な状況で冗談を言う人ではない事をウィルは分かっていた。 「どうして今まで隠してたんだよ……」 まだ子供の時から聞かされていたら、まだ楽だったかもしれない。 するとゴードンは静かにウィルの尋ねに答えた。 「子供の頃に聞いていたら君はどうしてた?まだ精神力、判断力や考える力が未熟な時にこれを話しても、ショックも大きいだろう」 「今聞いても十分にショックは大きいよ。……ゴードンは俺が小さい時から、この事知ってたのか……?」 「…………」 更なるウィルの尋ねに、今度は何も答えないゴードン。 だがその彼の反応が答えのようなものだった。 ゴードンは分かってたんだ。 でも知ってるのも当たり前か……。 母さんとゴードンは俺が生まれる前から知り合っている。 「最初から知ってたんだな……」
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