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「隠す気はなかった。だがこれは君と君の母であるフランシスとの問題だ。本来ならば私が関与するべき事じゃない。フランシスが直接君に話すべき事だった。結果的にはこうなってしまったが……」
「…………」
無言になるウィル。
対してゴードンは更に話を続ける。
「話した通り、君とフランシスは血の繋がった実の親子ではない。だがフランシスが、赤子の頃から君を我が子の様に育てた。君にとって、フランシスが育ての親と言う事実は変わらない。実の親よりも、親子らしい関係を持っているんだ」
「…………だったら」
「……?」
ゴードンの話の途中で突然口を開くウィル。
「だったら、俺の実の親はどこで何してるんだよ。母さんが俺を育ててくれたって事は、実の親は俺の育児を放棄したって事か?」
「…………」
それに対してゴードンは静かに首を横に振った。
「すまない。そこに関しては私も詳しくは知らないんだ。フロリダ州オーランド……そこでフランシスが君の実の親と出会ったって事以外はな……」
★
ゴードンが自分の家に帰り、家はウィル1人だけになった。
「…………」
ウィルは黙って家庭祭壇の十字架を見つめる。
とんでもないサプライズを用意してくれた……。
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