#2 手掛かり

2/4
前へ
/358ページ
次へ
「隠す気はなかった。だがこれは君と君の母であるフランシスとの問題だ。本来ならば私が関与するべき事じゃない。フランシスが直接君に話すべき事だった。結果的にはこうなってしまったが……」 「…………」 無言になるウィル。 対してゴードンは更に話を続ける。 「話した通り、君とフランシスは血の繋がった実の親子ではない。だがフランシスが、赤子の頃から君を我が子の様に育てた。君にとって、フランシスが育ての親と言う事実は変わらない。実の親よりも、親子らしい関係を持っているんだ」 「…………だったら」 「……?」 ゴードンの話の途中で突然口を開くウィル。 「だったら、俺の実の親はどこで何してるんだよ。母さんが俺を育ててくれたって事は、実の親は俺の育児を放棄したって事か?」 「…………」 それに対してゴードンは静かに首を横に振った。 「すまない。そこに関しては私も詳しくは知らないんだ。フロリダ州オーランド……そこでフランシスが君の実の親と出会ったって事以外はな……」 ★ ゴードンが自分の家に帰り、家はウィル1人だけになった。 「…………」 ウィルは黙って家庭祭壇の十字架を見つめる。 とんでもないサプライズを用意してくれた……。
/358ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加