鈴蘭とインナーセルフ

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それから少し時間が過ぎ、本日、出張前日。 今日は鈴蘭さんは閉店までいるシフトだと聞いていたので、俺もそれに合わせていつもはいない時間まで喫茶店に居座り続けていた。とてもタイミングがいい。 幸い客入りはそれほどでもなかったがそれでも無意味に居座り続けることに良心の呵責を覚えた俺は、徐々に涼しくなってゆく財布の中身に気を配りながらおかわりを続けた。 時刻は八時前。八時閉店とのこともありもう店内に客は俺しか残っておらずすでに閉店ムードになっている。 俺は徐々に近づいてくる運命の時間(だと思っているのは俺だけだと思う)に、口から心臓を吐き出してしまいたいくらいには緊張していた。 「椎名さん、今日はこんな時間までどうしたんです?いつもは暗くなるまでにお帰りになられるのに」 俺に話しかけてくるのはいつも鈴蘭さんからで、今回も例外ではなかった。 俺自身も彼女から話しかけてくれるのを待ってる節はある。 しかしそれから先の会話はだいたい俺の上司に対する愚痴やらどうでもいい世間話やらだったりとさほど意味のない会話であることが多くてなんとなく彼女には申し訳ない。 だが、今日は違う! 俺は彼女に今日告白をするつもりで来た! 俺は恋愛経験なんて一切ない童貞で今までメールアドレスとか電話番号を教えたりLineしようなんて言えずにこの喫茶店の中だけで彼女との会話を楽しんでいた。 でも、そんな日々も今日で終わりにする!!
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