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これは私が実際に体験した話です。
林間学校か、臨海学校のどちらかだったと思います。うろ覚えですが、しめ縄で結ばれた二つの岩山が突き出た海に夕陽が沈む、そんな風景が思い出されますので、きっと後者でしょう。
一クラス三十数名の生徒たちが三つと数名の先生方の団体で、とある旅館のような大きな施設に宿泊しました。
そこは古くてボロくて、薄気味の悪いところでした。
生徒たちはいくつかのグループに分けられまして、それぞれに一部屋ずつ与えられます。どれも同じような部屋だったと思われますが、私たちのグループに与えられたのは、薄暗い上に狭くて、ホコリ臭いしカビ臭いという、質の悪い部屋でした。
奥の窓から見えるのは山の風景でしたが、すぐそばにあるので茂みと大差ありません。
部屋の形状は長方形で、正確な大きさはわかりませんが、八畳ほどでした。そこに子供とはいえ、七、八人の男子を押し込めるのですから、粗雑な扱いを強いられたものです。
思えばおかしな部屋でした。和室で、床は畳なのに襖は無く、扉も引き戸ではない上にベニヤ板。押し入れすらも無くて、代わりにクローゼットが一つだけありました。
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