食材の屠殺

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「お父さん……ごめんさい」 お父さんの役に立ててないという思いからしょんぼりすると、 「気を取り直してもう1枚見せてくれないか」 と言ってくれた。 お父さんの言う通り。しょんぼりしている場合じゃないと、3枚目の写真をお父さんに見せた。 「はい。3枚目は清宮愛さん。中肉中背。庶民的な家に育ち特に和食が好きなようで、前に紹介した2人とよくつるむけど、ハンバーガーショップとかではあまり食べないって聞いた。部活は私と同じ軟式テニス部。あまり真面目にはしていない」 「うん。適度な運動、均整のとれた体格。この子にしよう。持病とかないよね?」 「特に薬を飲んでいるところを見たことないし、体育とかで休んでいるのも見たことない。多分大丈夫」 「よし。この子に決めた。早速屠殺しようか。当然行動パターンは分かっているね?」 「清宮さん……あったあった」 私がこの3人について調べた調査書をめくりながら該当情報を探し当てた。 「今、20時か。21時に塾が終わった後、1人でチャリに乗って帰るみたい。その時が狙い目かと。帰宅ルートも地図にまとめておいたから、これでポイントを決めるといいと思う」
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