食材への志願

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「安藤さん、私の意見を言っていいですか?」 君島さんたちと安藤ちゃんが口論している最中だったから、なかなか聞いてくれなかったけど、3度同じことを言ったら、どうにか安藤ちゃんに届いたようだ。 そして、騒然としていたのに、私の言葉でシーンとなった。みんな私の言葉を聞こうとしていた。 「私の父がフレンチのシェフをしています。父はヨーロッパから食材を輸入するぐらいこだわっています。この前父が、ドイツから珍しい羊の肉を手に入れたんだけど、それをソーセージにしたら最高だったと言っていました。その肉をソーセージに加工してフランクフルトとして売ったらかなり人気が出ると思います」 さっきまでやる気のなかったみんなも、私の話を聞くと目を輝かせた。 「それやばくね? 本場ドイツ?」 「肉を詰めるところからやるなんて本格的! ただのフランクフルトじゃないね」 「そのソーセージ俺が食べてみてー」 「俺友達に自慢するかも! やりてー!」 皆、口々に私の意見に賛同した。 君島さんたちも私の言葉に反論しなかった。 「じゃあ真凛ちゃんの言ったフランクフルトでいいですか?」 「意義なーし」 「賛成!」 そんなことを言いながらみんな手を挙げた。
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