食材への志願

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「あと、君島さん、戸引さん、清宮さん。殺せるものなら殺してみろって言ったよね? あの時、あんたたちに呪いがかかったけど大丈夫?」 「はあ? ばかじゃね?」 「呪いとかマジうぜー」 「お前も死ねば?」 そんな反応なんて想定内。 「文化祭が終わるまでに誰かが死ぬ。でも結果みんなが喜ぶ。死ぬことが人助けになるんだよ。無意味に死ぬよりもいいと思うから、悪くないと思う」 あんたらの肉が上質なソーセージになるんだよ。 みんなの期待に応えることができるんだよ。 名誉なことだよね。 「死ぬことが人助け? ざけんじゃねーよ!」 私に殴りかかる君島さん。 さすがにキレたみたいね。 ――ぐぎ! 私のハイキックが後頭部にクリーンヒット。 父から食材が賭殺されるのに抵抗したときのために格闘技を学ぶように言われていたんだよね。 こう見えても空手の有段者なんですけど。 食材の分際で自尊心とかもたないでもたいものだ。 そももそあんたに人権なんかないんだよ。 食べられるだけの存在だって知ってもらいものだ。
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