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カナタは無表情で俺とシロタを交互に見てから「どうぞ続けて下さい」と言ったので、俺は続けた。
「投稿なんて絶対反対だ」
「いや、ワルはネットなんてしないって」
「ついこの間学園にサイバーアタックした連中を捕まえたばっかだろ!」
「大丈夫! できるだけ個人名とか、地名とか、学校名も全部伏せる! 俺はただこの手記達がずっと倉庫に溜まり続けるのが嫌なんだ。この先類似の事件が起きた時、一瞬日の光を浴びてまた地下資料室の冷たい本棚の中で過ごすこいつらの気持ちを考えると……」
「ダメなもんはダメだ!!! 個人名とか関係ない! 絶対にうちの情報を漏らすような真似はするな! 良いな!」
秋彦は頷きながら「わかったわかった」と襟首を掴む手を叩く。俺は秋彦を解放した。
こいつ、ほんとに分かったのか? くそもし本当だった時のために、これからは少し紳士的な振る舞いを心がけるとしよう。家からお菓子持ってきた方が良いかな? ……て違う! 情報漏えいは許されない!
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