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「ふわぁ~、眠いな」
俺は鬼島学園保安委員室の扉を開けた。時刻は夕刻五時、天気は晴れで部屋に窓から、眩しく熱の帯びたオレンジ色の光が斜めに差し込んでいる。浮いているほこりの存在が明らかになるのはこの時間帯くらいだろう。
「おお、秋彦。ジェイ先輩は?」
「ああ、……わかんね~」
俺は長机のうちの一つに腰掛けた。目前では部屋に入った俺に目も合わせず、凛とした綺麗な姿勢で、黙々と何かを書き記している男がいる。
こいつの名は雪春秋彦。
俺は度々こいつが発する独り言が気に掛かっている。
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