前任者

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「秋彦、何を書いているんだ?」  秋彦が手に持っていたペンを回し、机の下に落とした。集中が途切れたかいつもの注意散漫な彼に戻った。 「あ~あ、今日はここまでにしておくか。ん、どうしたシロタ?」  俺は秋彦の目の正面に置かれた紙の束を引き寄せた。  タイトルは『手記鬼島学園保安委員第三代雪春秋彦』。  漢字のみで非常に読みづらい。 「何だこれ?」 「見てのとおり手記さ。ほら、始めてカナタも含めた三人で保安委員入ったとき、俺じゃんけんで手記になったじゃん?」  辿った記憶にそんなものはない。俺はこのことを口に出す。 「え~、酷いな~。俺毎晩頑張ってんのにさ~。何ならシロタ変わってみろって」
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