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手記と言えば、俺たちが普段資料として読んでいるあの過去のファイルの中身に古い世代の保安委員が残した日記のようなものがあったっけ。
「もしかして、たまにお前が発する変な独り言の正体ってこれなのか?」
「そう! これ! 勘が良いね~。シロタ君」
気付いて当然だ。勘が良いなんてのは、絶対に馬鹿にした意味だろう。
俺はジェイ先輩の机の上に置きっぱなしになっているファイルを机に運び、開いてみた。秋彦も覗き込む。
手記、議事録、予算表などが日付順に綴られている。それぞれに顔も知らぬ先輩たちの名前が丁寧な字で記されている。
手記には全て同じ名前が載っている。
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