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「しっかし秋彦の書いてる手記も佐々倉先輩の手記も、俺たちの会話どころか犯人や依頼人の何気ない会話、犯人との攻防、さらには一時間おきの天気まで、かなり細かいところまで記録されているな。こんなこと、その日のうちにだって思い出せないぞ」
「チッチッチ」と秋彦は左手で人差し指を振りながら、右手をポケットに入れた。
「そっ、それは! ボイスレコーダー!?」
「そうさ、たまに俺が独り言を言ったりする時があるだろ。日常会話も含めて俺の周りで起きたことはすべて録音し、家でその内容を必要と思う部分だけ抜き出して細かく書いていく。景色とか行動とか、音に残らないものはその場で俺が実況していって記録するってわけよ。そしてさらに俺の目の届かないところはシロタやカナタに聞いて、付け足して、その日の夜に全部手記に書いていくという流れだったのさ」
俺は秋彦の話に耳を傾けながら、秋彦の手記の中のとある一日に目を通してみた。そして驚愕した。
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