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side: シオン
ふわり、ふわり、と揺らぐ夢見心地のまま 意識をもう一度深く沈めようとすると、後頭部に軽く衝撃が走った。
目の前の机では、綺麗に皿に盛り付けられたハムエッグやトーストが美味しそうに湯気をたてている。
どうやら、また朝食の席で寝そうになっている所を見つかったらしい。
俺の頭をはたいた犯人は、自分用のコーヒーの入ったマグを反対側の席に置いて座った。
??「シオン、眠そうだが、また夜に眠らなかったのか?そんなだ から背が伸びないんだよ、チビ」
頬杖をついてニヤニヤとからかうように発された声に、僅かだが心配の色を感じ取って、相変わらず素直じゃないなと思わず笑ってしまう。
シオン「クスッ 大丈夫だよ、昼になったら仮眠とるから。それに俺は、背なんて伸びても伸びなくてもどっちでもいいんだよね」
正直、身長以外のこともどうでもいいけれど。
誰が何と言おうが俺は俺だからね。自分の外見にはさして興味がない。
??「ハァ、まったく…
取り敢えずそれさっさと食べて寝ろ。昼からとか誰が許すか、仮眠じゃなく熟睡しろよ?」
シオン「了解、お母さん」
??「誰がお母さんだ」
どう考えても母親の発言だったんだもの。思わず言ってしまったけど違和感無いし。
??「せめて兄貴にしろ」
はーい。
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