よくあることさ

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「わ、悪くないって、一応自信を持って良いって事ですよね」  わあ!ちょうポジティブ!…じゃなくて! 流されて僕はそんなこと、口を滑らせたらしい。 「私、頑張ります!推薦して下さったマエストロの為にも!」 益々ヤバい。 そう言えばそんな約束したんだった。音楽監督のフレールさんに推薦するっていう……。 何だか、綸言(りんげん)汗の如しの様相を呈してきた。 僕の手のひらや額にはじっとりと汗がにじんできていたのだ。 でも、後悔はしていない。 何故なら奏ちゃんは嬉しさの余り僕に抱きついてきたからだ。 この流れからちゅうの一つでも出来るかも知れない。 僕は下心満載で奏ちゃんの耳から頬にかけて手を滑らせ、(おとがい)を上に向けようとした。
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