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1月 小野と草町
火燵は魔物だと、冬が来る度に思う。
オプションでみかんが付けば、そうそう逃げられない。
「ぬくいねぇ」
向かいで溶けた顔をする恋人の、少し丈の足りない半纏姿が僕は結構好きだ。
「ん。どうぞ」
本から顔を上げていた僕を、みかんが食べたいものと勘違いして、手ずから食べさせてくれる。
ぺろ、と指先を舐めたら、頬を染めて睨まれた。
離れ難い火燵から一度抜け出して、狭いのも構わず隣に座る。
「今年もよろしく」
「うん。こちらこそ、よろしく」
今年も来年もその先も、僕らは互いを支え合って生きていく。
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