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「雲水が白雪姫、か……」
雨の降り続ける暗い空を見上げ、溜息を吐いた。
思えば、雲水は普段から午後の授業を欠席することが多かった。
もともと生活態度が悪く遅刻も多かったため、あまり気にしたことはなかったけれど。
しかし今になって考えてみれば、あれは病のせいもあったのかもしれない。
異性とキスをしなければ、彼は熱を出してしまうから。
なら、日和は。
雲水とキスをしていたのは、彼の体調を回復させるために仕方がなかったのかもしれない。
たとえお互いに恋愛感情はなくても、二人はキスをする必要があったのだろう。
さながら、俺と月花との関係のように。
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