第1章 秘密の関係

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「そ、それじゃっ、私グラウンドの整備に行かなきゃ。邪魔してごめんね! ご、ごゆっくりー!」  そう切り上げて爽やかに去っていく日和の後ろ姿を、俺は遠い世界の光景のように眺めていた。  青い鳥が逃げていく。  俺の求めてやまなかったものが。  とてつもない絶望感により、頭がぼうっとする。 (……いや、これでいいんだ)  彼女への想いを断ち切るためにも、これで良かったのだ。  俺は、前に進むべきなのだから。 「…………。うん」  そうして、改めてわかった。  気持ちを切り替えるということは、想像していた以上に難しい。  俺はやっぱり、どれだけ足掻いたところで、日和を忘れることなんてできなかったのだ。      
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