プロローグ
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__________ ビルを渡る風が髪を揺らす。 ゆっくりと男の上体が傾いた。 つま先の先にはもう何もない。 夜の街灯りをのみ込む、ぽっかりとした暗闇が広がるだけ。 肩の高さで水平に広げられた両手は、飛び立つ鳥の翼のよう。 ひらり、上着の裾がはためいて。 そうして男は私の視界から消えた。 軽いほほえみだけを残し、地上へと落ちていった。 ___________
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