プロローグ

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 彼女は憧れだった。  いつも励ましてくれて、いつも慰めてくれて、いつも優しい言葉をくれて、時には怒ってくれる・・・。  顔も知らない、本当の名前も知らないけれど、彼女は憧れの人だった。PCの画面の中の彼女はとても優しく、いつでも真剣に話しを聞いてくれていた。  文字と文字による、画面越しでの会話。それでも伝わって来る、優しさ。いつしか文字での会話ではなく、直接彼女と話しをしたいと思う様になった。  お互いの顔と顔、目と目を見つめながら、声と声での会話をしたいと。そして彼女の顔を見て、自分の声で伝えたいと・・・。  そう、願い続けた。只『ありがとう』と・・・画面の向こうの憧れた人に・・・。  彼女は憧れの人だった・・・。
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