自殺転生

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 でも僕は、なんとなくナンパを続けた。なんでかはわからない。なんとなく、なんとなく、本当になんとなく。  僕は大学構内から、駅前に場所を変えた。その方が友達に会わなくて済んだから。  僕は駅前で声を掛ける。 「お姉さん、お茶でもどう?」 「君たち、これからカラオケで行かない?」 「ねえ、可愛いね。今学校帰り?」  僕に付いてくる女の子なんて、ひとりもいない。さあ、目の前の信号が変わって、それでだめなら帰ろう。  信号は赤から青になる。次第にどこから湧いたかわからない、人の波に僕は押される。  そして僕は目の端に、変わった女の子を見つけた。それは顔が可愛いからだとか、胸が大きいとかじゃない。  死んだ目だ。それも飛び切りの。途中音楽を聴いていたのか、イヤホンを引きづって歩いている。面白い。 「お姉さん、これからお茶でもどう?」  思いっきり無視をされた。でも 「僕って何千回って死んでるだぜ」  僕は言う。  彼女は聞いてないのか、フラフラ駅に向かって歩く。  僕も帰ろう。そう思って僕はバックの中からパスケースを取り出す。 「待って」  さっきの女の子だ。 「どうしたの?」 「さっきの話、本当?」  たぶん、僕の常套句のことだろう。 「うん」  ――私もなの。      ◆       ◆     
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