お願いポスト

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その外傷から、おそらく人間ではなく獣であると断定され、それからしばらくは警察や保護者と供に集団登下校を強いられた。 その外傷から、おそらく人間ではなく獣であると断定され、それからしばらくは警察や保護者と供に集団登下校を強いられた。 この状況で、もっとも辛い立場に立たされているのはB子である。あんな事を言ったその日にこの事件、本人もかなり動揺していた。 だが、本人の動揺は少し別の所にあった。 俺も少し考えてから気がついた。 「あんたのこと、お願いポストに書いたかから!」 そう、相手に投函した事を告げる、これはお願いポストの明確なルール違反だ。 だが、B子の「お願い」は実行された。 ルール違反をすれば「お願い」が無効になるのではないのか? だとすれば、ルール違反にはいったいどんなペナルティが科せられるのか、そういえばソレを聞いたことがなかったのである。 クラス全員でA子の通夜に参列したとき、泣きじゃくり必死に「ごめんなさい、だから許してください!助けてください!」と叫ぶB子の印象が強烈であったが、それが彼女を見た最後の姿だった。 B子は、自宅で首を吊った。 遺書のようなものには、ただひたすらに助けを求めていたらしい。 なぜ彼女がここまで追い詰められていたのか、それは結局わからなかった。     
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