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「丁度良い……おい加頭、アンタに渡した例のヤツを貸しな。俺が使い方を伝授してやる」
「………ええ、では見せてもらいます」
そう言うと、加頭順はガミジンに「E」と書かれた黄金色のメモリを手渡す。
ガミジンは受け取ったメモリをバックルではなくマキシマムスロットへと挿入した。
『エルドラド、マキシマムドライブ』
「コイツはマキシマムドライブしか使えない上に制限時間付きの欠陥品だが…ま、試作第一号としちゃ上々だな」
ガミジンの全身が黄金の光に包まれる。
「ほら立てよジェミニ、攻撃しな。全て受け止めてやるよ」
「ッ侮るな!ノゾミさん、ツインマキシマムです!」
「おっけー!いくよ!」
バックルからメモリを引き抜くと、ミラクルガンスラッシュにミラクルメモリを、ホープガンスラッシュにホープガンスラッシュを挿し込む。
『ミラクル、マキシマムドライブ』
『ホープ、マキシマムドライブ』
「「────ジェミニ・ストライク!!!」」
全身に黄金と白銀の炎を纏って突撃する。
今の私達が使える最高の技、これが通用しなければ───。
「くく…くははッ!」
「な…に……!?」
「まさか、全然効いてない!?」
────もう、勝てない。
「さて、制限時間は三十秒。その間に終わらせるぜ」
ジェミニストライクを無防備に受けたというのに、この悪魔は一切のダメージを負った様子もない。
考えたくなかったが、やはりあのメモリの能力は──無敵。
文字通り、マキシマムドライブによって使用者を無敵状態にするガイアメモリだろう。
「くはッ!流石は俺だ、運命神やXマジンラーがあれほど手古摺った奴をこんな簡単に仕留めちまうとはな」
「ええ、私としても驚きです。総帥もさぞ喜ばれるでしょう」
「総帥の気分なんざどうでもいいが、まあいい。取り敢えずトドメ刺しと────加頭!」
突如、ガミジンを目掛けて何かが飛来する。
加頭がダークエターナルセイバーで切り捨てるものの、それを見越していたのか飛来物から煙幕が巻かれ始めた。
その間に私は何者かに抱えられ、煙幕の外へと助け出される。
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