序章──Xの組織、運命の悪魔──

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「行きます……変身!」 『ミラクル』 ドライバーのスロットにミラクルメモリを挿し込むと、再度ガイアウィスパーが発音した後に銀色の光が私の全身を包んだ。 変身完了と同時に解け、舞い散る光の中で白銀の戦士が複眼を菫色に煌めかせる。 奇跡の仮面ライダー・ミラクルだ。 「───さあ、奇跡に魅せられなさい」 「くははッ!」 ガミジンは愉快気に笑ってみせると、一瞬で私の懐へ接近した。 「速い──くっ!」 「ほう、良い反応速度だな。流石は『新人種(ニューレイス)』だ…だが!」 「何──背後!がッあぁ!?」 「馬鹿が、テメェ如きに受け止められる炎じゃねぇ!」 彼の拳を受け止めた腕ごと、私はアスファルトへと叩き付けられる。 地面が砕けるほどの衝撃。その直撃を受けた私が無事なわけはなく、何とか立ち上がっても意識が朦朧として戦える状態じゃない。 ───────駄目だ、ミラクルでは敵わない。 ロストドライバーからミラクルメモリを外し、変身を解除する。 「あ?何の真似だテメェ」 空間魔法『ゲート』を用いてロストドライバーを異空間へと仕舞い、再度ミラクルメモリのスイッチを押した。 『ミラクル』 「お願い、ノゾミさん!」 私の腰に白いダブルドライバーが出現し、その右スロットに「H」のガイアメモリ───ホープメモリが転送されてくる。 届いた────! 「変身!」 『ホープ、ミラクル』 全身が金と銀の風に包まれ、その姿を複眼を虹色に煌めかせる黄金/白銀の戦士へと変えた。 「「さあ、貴方の罪を数えなさい」」 仮面ライダー・ジェミニ。 運命神との戦いではホープ側のノゾミさんがボディを担当していたが、今回は逆の構図だ。 「くくッ!ジェミニと殺し合うのも面白いが…今回は私情抜きでやらせてもらうぜ、なあ加頭順!」 『エターナル』 『ユートピア』 コンビニの中からオールバックの男、加頭順が出てくる。 その腰にはガミジンのものと酷似した黒いダブルドライバー───アームドライバーが装着されている。 加頭順は二つのメモリを起動すると、アームドライバーのスロットへと挿入した。
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