第3章──集う者達──

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◆◆◆ 時は深夜。 ベッドの上で寝息を立てる雪那の(そば)に一つの影。 「…………」 窓から差す月光が照らすその顔は美しく、女性らしくも男と分かる。 髪の色は、どうやら白銀のようだった。 男は虹色の瞳で雪那を見下ろしつつ、右手に握ったガイアメモリを起動する。 『デスティニー』 「お前ではきっと魔王に勝てない。 殆どの魔法と魔力を封じ、新人種として真の覚醒を成していない今のお前では」 男の手から離れたガイアメモリは重力に従って落下し、雪那の胸へと沈んでいった。 「運命に抗い、その手に掴め……真の力を」 途端に息を荒くし、苦しげな表情を浮かべる雪那。 その頭を優しく撫でて踵を返す。 「…………あ、あぁぁ…!うああああァァァ!!!」 暗い個室に、絶叫が響き渡った。
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