第4章──二つのE/皇帝と呼ばれた男──

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森林に剣戟の音が響き渡る。 「はぁッ!」 「っと……以前より力を増したようですね、大道克己」 二人の戦士が戦っていた。 似た姿だが、その色は黄金と漆黒で異なる。 大道克己のエンペラーと、加頭順のダークエターナルだ。 「しかし、その程度ではこのエルドラドを超えられない」 『エルドラド』 アームドライバーのスロットからユートピアメモリを抜き取り、代わりにエルドラドメモリを装填する。 『エターナル、エルドラド!』 「ソロモンの最終調整が完了したお陰で、エルドラドメモリの制限時間は無限となった。あなたの攻撃はもう効きませんよ」 以前はマキシマムドライブによる一時的な無敵化だった故に、その効果時間さえ凌げばダメージを与えられた。 それを克服したのだと、加頭順は言う。 「知った事か!」 『ユニコーン、マキシマムドライブ!』 螺旋状のオーラを纏った拳が、ダークエターナルの胸部に直撃する。 「………ふん。効かないと言った筈ですが」 「何!?」 『ユニコーン、マキシマムドライブ!』 ダークエターナルの拳がエンペラーへと突き刺さる。 エルドラドメモリにより強化されたマキシマムドライブは、エンペラーの装甲に罅を入れつつ弾き飛ばした。 これこそ完成したエルドラドの真価。 自身に対する攻撃力と防御力の無力化、そしてマキシマムドライブの効力増強である。 「く、そ……!」 『エンペラー、マキシマムドライブ!』 ならば、と。大道克己は自信が持つ中で最も強力なエンペラーメモリのマキシマムドライブで、エルドラドの無敵を突破しようと試みる。 オーラで刃を形成し、再びダークエターナルへ斬りかかった。 「無駄ですよ」 しかしオーラの刃はダークエターナルに触れると同時に消失し、実体部分のみが手前で空振る。 「では、さようなら」 『エターナル、マキシマムドライブ!』 ダークエターナルの刃が遂にエンペラーの装甲を両断した。 大道克己の体が宙を舞い、落下する。 一瞬遅れて、ロストドライバーとエンペラーメモリが彼の手前へと落ちる。
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