序章──Xの組織、運命の悪魔──

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「……変身」 『エターナル、ユートピア』 ダークエターナル・アームドユートピア。 外見は仮面ライダーエターナルだが、その色は漆黒。更に身体中に金色のラインが引かれており、複眼はワインレッドとなっている。 「奇跡の娘、綺原雪那……我々の目的の為に貴女を拘束します」 「って訳だ。あんたらじゃ俺達に勝てねぇ、大人しく投降しな」 「ッ誰が!投降なんて!」 「奇跡の娘だとかよく分からないけど、雪那ちゃんは渡さない!」 両手に双銃剣、ホープガンスラッシュとミラクルガンスラッシュを召喚する。 対するガミジンは炎を纏い、加頭順はダークエターナルセイバーを手に持った。 二対一。不利な状況だが、私達なら勝てる筈だ。 ────始めに動いたのはガミジンだった。 「そら、虫らしく無様に踊れ!」 「くっ!」 「全て撃ち落としてみせます!」 追尾する炎弾を、両手の銃剣をガンモードに切り替えて撃ち落としていく。 「私の事をお忘れなく」 「忘れてないよ!」 ホープガンスラッシュをスラッシュモードに切り替え、加頭順の斬撃を受け止める。 片手で鍔迫り合いを続けるのは厳しいが、ミラクルガンスラッシュでガミジンの攻撃を凌いでいる以上はそれぞれ片手で対応するしかない。 「くはッ!ガラ空きだぜぇ!」 「ぐぁっ!!!」 両手を塞がれた状態では無防備にならざるを得ない。 炎の弾幕を維持したまま懐に接近したガミジンの拳は、私の腹部へと直撃した。 「────ッがは!」 「この二人、ただでさえ強いのにコンビネーションも!?」 直ぐに体制を立て直して銃剣を構えるが、視界に二人の姿は無い。 「何処に───」 「上です!」 「くはッ!正解だ!」 炎を纏った拳を両手の銃剣で受け止める。 「ひゅー!今度は受け止めたなぁ!」 「ッ加頭順は!?」 ノゾミさんが叫んだ直後、背後からの斬撃を受ける。 「「ぐはっ!?」」 そのまま飛ばされ、壁に激突。立ち上がった私達の目に映るのは、未だ一撃も与えられない黒い戦士。 二人は余裕を示すように、追撃すること無く並んで私達を眺めていた。 「常に周囲全体を把握していなければ、戦士として一流とは言えませんね」 「くはッ!だーから言ったろうが、俺達には勝てねぇってな」 ………まさか、これ程までに力量の差があったなんて。
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