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昨日の出来事の違和感が取れない。七夏ちゃんの心が分からないまま、俺は七夏ちゃんと一緒にお客様への朝食準備を手伝っていた。凪咲さんと直弥さんは、既に朝食を済ませている。お客様が居る時は皆、別々に朝食を頂く事になっている。直弥さんがお仕事へ出掛けるようなので、俺は声をかけた。
時崎「直弥さん!」
直弥「時崎君、いつもありがとう」
時崎「いえ。先日お話してました、無線ネットワークの設置を行っておきますので、お部屋にお邪魔します」
直弥「そうか! ありがとう。よろしく頼むよ」
時崎「はい!」
七夏「あ、お父さん! これ!」
七夏ちゃんは、お弁当を直弥さんに手渡した。
直弥「ありがとう! 七夏!」
凪咲「いってらっしゃい!」
直弥「ああ! それじゃ!」
七夏「くすっ☆」
七夏ちゃんの様子が特に変わっているようには思えない。俺の知っている限り、いつもの七夏ちゃんだと思うけど、引っ掛かりはある。俺は七夏ちゃんに可愛いと話すことを躊躇っている。
七夏「? どしたの? 柚樹さん?」
時崎「え!? あ、いやなんでもない」
七夏「あ、おはようございます☆」
時崎「え!?」
後ろを振り返ると、お泊りのお客様が階段から降りてきていた。
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