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幼い頃は花火大会や夜店に心躍ったりしたけど、ここ数年はご無沙汰だった。その気になれば花火を見にゆく事だって出来たはずだけど、人が多い所で写真を撮影するのを拒もうとする自分が居た。写真を撮影する事を考えなければ良いのかも知れないけど・・・。でも、今日は今までと違ってとても楽しみにしている。七夏ちゃんたちに感謝しなければならないな。
七夏ちゃん、天美さん、高月さんの三人は浴衣に着替えている。その間に俺は写真機の準備と確認を行っておく。自分の部屋に荷物を取りに2階へ上がった時、楽しそうな三人の声が聞こえてきた。会話の内容が気にはなったが、盗み聞くのは良くないので、そのまま居間へ戻って七夏ちゃん達を待つ。
心桜「あ! お兄さん!」
時崎「え!? あっ!」
心桜「あはは! 絶句してる!」
時崎「なっ!」
心桜「慣れないと、ちょっと恥ずかしいね」
初めて見る天美さんの浴衣姿。いや、浴衣姿なら民宿風水の浴衣姿は見てはいたけど、今の天美さんの華やかな浴衣は、普段のイメージと大きく異なった。赤と橙を基調とした少し派手な浴衣だけど、膝くらいまでしかない短い丈に目を奪われる。
時崎「天美さん、その浴衣、膝丈が結構短いね」
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