第八幕:閉ざされた虹

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とは言ったものの、今、手元にプリンターが無い・・・。デジタルの写真機は便利だが、こういう時の機動力/瞬発力の無さは進化していない・・・。最も、プリンターのインクで印刷した写真は、長期保存に適さないので、俺は写真屋さんでプリント依頼をする事が多い。プリントするのに写真屋さんへ出かけるのは、写真を現像する事と然程変わらないのだが、良い写真は、ひと手間を惜しんではならないと思っている。 時崎「明日、写真屋さんに、プリント依頼してくるよ」 七夏「ぷりんと・・・あ、はい☆ 楽しみにしてます♪」 凪咲「七夏、柚樹君。はい、どうぞ!」 凪咲さんが、よく冷えたお茶と、和菓子を持ってきてくれた。 時崎「ありがとうございます。凪咲さん」 七夏「ありがと。お母さん! あ、今日は和菓子もあります!」 凪咲「それじゃ、夕食の準備いたしますね」 七夏「あ、私も・・・」 ・・・と、七夏ちゃんが言いかけた時、 凪咲「七夏、お茶を飲んで、今日は、ゆっくりしてなさい」 七夏「あ、はい」 凪咲「柚樹君、ありがとう」 時崎「あ、はい」 七夏「???」 七夏ちゃんと全く同じような返事をした俺を、不思議そうな目で七夏ちゃんが見てくる。 時崎「? 七夏ちゃんどうしたの?」 七夏「え? あ、この和菓子、色が綺麗だなって・・・」 時崎「確かに、色鮮やかで、見て楽しめる工夫がされているね」 七夏「はい☆」 ん? ちょっと待てよ。ここにある和菓子は色々な色が使われている、それこそ、ぱっと見では7色あるけど・・・七夏ちゃんは、どのように見えているのだろうか? 時崎「七夏ちゃん!」 七夏「はい!?」 時崎「ちょっと、訊いてもいいかな?」 七夏「はい☆」     
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