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第九幕:見えていない虹
昨日、凪咲さんに見せてもらった七夏ちゃんのアルバムには、ある時期から七夏ちゃんの笑顔が無くなっていた・・・。無い物は補えばいい。だったら、これから笑顔の写真を沢山撮影すれば良いという事だ。勿論、七夏ちゃんが、その事を望んでいる事が大前提なのは言うまでもない。笑顔という単語で、ある事を思い出す。俺が使っている写真機は顔認識や笑顔認識機能が備わっている。普段あまり人の写真を撮らなかった俺は、この機能を「OFF」にしていたが、人の笑顔を積極的に撮ろうと考えると、この機能を「ON」にしてみるのも良いかも知れない。忘れないうちに写真機の顔認識、笑顔認識機能を「ON」にした。
時崎「よし! これで七夏ちゃんの笑顔、沢山撮影できるかな」
そう言えば、七夏ちゃんは、自分の瞳の色が変わるのが分からないと、話してくれた。そんな事は、鏡を見ればすぐに分かりそうな事だけど・・・。俺は、七夏ちゃんの部屋の前に移動する。
時崎「七夏ちゃん居るかな?」
俺は、七夏ちゃんの部屋の扉をノックした。しかし、返事が返ってこない。
時崎「居ないかな・・・」
七夏「柚樹さん!? どおしたのですか?」
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