第三十六幕:太陽を想う虹と

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夜遅く突然風水に来た天美さん。七夏ちゃんの姿を見るなり大きな声で泣き出した。七夏ちゃんは、天美さんを優しく抱きしめている。俺はただその場で何も出来ないままでいた。 凪咲「どうしたの? 心桜さん!?」 心桜「うう・・・」 凪咲「・・・・・」 天美さんの泣き声で凪咲さんも姿を見せるが、七夏ちゃんと天美さんの様子を見て、そのまま居間へと姿を消した。それを見て俺も凪咲さんの後を追うように居間へと移動する。七夏ちゃんや天美さんに声を掛けると思っていた凪咲さんが、二人を見てすぐに移動した理由に何か意味があるはずだ。 凪咲さんに小声で訊いてみる。 時崎「凪咲さん」 凪咲「今は、七夏に任せておけばいいわ」 時崎「何があったのかは分からないけど、心桜さんが落ちつくまでは、大人は黙ってる方がいいと思うの」 結果的に俺も凪咲さんも、天美さんには何も行ってはいないけど、どうしてよいか分からない俺とは全然意味が異なった。 時崎「・・・・・すみません」 凪咲「え!?」 時崎「俺、何も出来なくて・・・」 凪咲「いいのよ」 凪咲さんは、冷静だ。過去にもこのような事があったのかも知れないな。 七夏「お母さん・・・」     
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